目次





まだまだあるぞ

日本酒

とは言う間でもなく日本の酒のことで、わざわざ日本酒と呼ばねばいけないというのが嘆かわしい。

ますます好きになってきた趣味だ。狛江は駒井町籠屋(かごや:秋元商店)という酒屋がある。そこの親父が半分趣味で、日本各地の蔵元を回って酒を仕入れている。店の外回りは普通より少し大きめだが、別段変りはない。店に入っても、酒に焼酎にウィスキーの棚が並んでいて、普通の酒屋だ。だが、入り口左脇の狭い階段をトトンと上がれば、空調の効いた部屋になっていて、酒が全国、北から南までずらりと並んでいる。一度は覗いて見ることをお勧めしたい。ここの奥さんも酒に詳しいので、選ぶのに迷ったら教えてもらうとよい。十種類は超える試飲用の酒が用意してあるので、味を試すことができる(なじみになれば勝手に飲める)。というわけで、この酒屋に通っては買い求めて飲んだ結果を御紹介したい。は、勝手につけたものなので、この通りでなくても責任は持たない。五個が最高だ。酒は酸味と旨味がバランスすることでボディを作っている。その上で香りとか、軽さとか、滑らかさだとかが、酒の個性を作っているわけだな。だから「辛い酒が好き」だなんて単純なことは言わず、あれこれと飲み比べると楽しいと思われる。また、吟醸酒は高価だが、必ずしもうまいとは限らない。

ところで、全国の酒の銘柄は有名無名、五百種類はくだらないと思われるし、新作もあるから、死ぬまでに全部の酒を飲めるかどうか心配だ。そこで順番にかつ系統だてて飲むことにして、まずは、関西方面の純米酒で¥2500以下にターゲットを絞った。だからと言って、それしか飲まないと言うわけではない。何でもよいのだが、何でも飲むと言うと節操がないと思われるのもしゃくなので、そう言っているだけだ。

ここで、純米酒と吟醸酒の違いは知っておく必要があると思われるので、あえて書いておくのだが、基本的には純米酒は、水と米で作るものであり、吟醸酒はさらに製造過程でアルコールを添加するものである。世の中には純米吟醸などというカテゴリーがあるのだが、基本的には酒はこの二種類だ。他に本醸造と呼ばれる水と米で作った酒にアルコールを加えて味を調整した飲み物がある。紛らわしいのは、本醸造はコストを下げるためにアルコールを添加するのに対して、吟醸酒に添加するアルコールは醪から香りの成分を抽出する等の目的で使われていることだ。こんなことは一般の消費者は知らないから、色々な問題が起きているのだ。さらに、喜久酔のようにアルコールを積極的に使って旨さを追求しようという本醸造もあるので、ますます紛らわしい。ま、旨けりゃ何でも良いのだが。

豆知識として、上記の話から、吟醸酒の酒粕と純米酒の酒粕を比較すれば純米酒の酒粕の方が旨いことが分る。なかなか手に入らないのだが、しぼりきっていない、いわばぐしょぐしょの酒粕があるところにはあって、これは旨い。料理に使うとたまらん。


酒に関する単語菊正宗酒造のページより)

日本酒度 日本酒の比重を表示するために設けられた単位で、15℃のお酒に日本酒度計と呼ばれる特別の浮秤を浮かべて測定する。15℃で4℃の純粋の水と同じ重さのお酒(比重=1)は日本酒度±0で、それより軽いものはプラス(+)、重いものはマイナス(−)で表示する。一般的に甘口酒は含糖量が多く、比重が大きいので(−)側に傾き、逆に辛口酒は(+)側に傾く。そのため、酸の多さによっても違うが、一般的には(+)の度合いが高くなるほど辛口であり、(−)の度合いが高くなるほど甘口と言える。

日本酒に含まれる有機酸の70%以上が、もろみ中で酵母によって生産されたもので、残りは酒母や蒸米、麹に由来する。有機酸はお酒の酸味、旨味を作る重要な成分で、揮発酸は香りの重要な要素となっている。主なものは、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸。同じ日本酒度であっても酸が多いと辛く、少ないと甘く感じる。

アミノ酸 日本酒に含まれているアミノ酸は、お酒にゴク味やふくらみを与えている。お酒の中ではアミノ酸は塩類として存在していて、これが弱い甘味、旨味、酸味や苦味となり、お酒の味を形作っている。アミノ酸が多いと雑味の多い飲みにくいお酒となり、少ない場合はきれいな薄いお酒となる。主なものはグルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、アルギニンなど。